ミニトマトの育て方は?収穫までの流れを初心者向けに解説

ミニトマトの育て方は?

家庭菜園で作れるミニトマトはどれ?
ミニトマトなら簡単に作れると聞いたけれど、何を揃えたらいい?
初心者が有機栽培でミニトマトを作るのは難しい?

ミニトマトは育てやすさやおいしさを理由に、家庭菜園の初心者にも人気の野菜です。しかし、簡単にできるとはいっても、家庭菜園が初めてだとわからないことばかりでしょう。ミニトマトの栽培は、好みの品種を選び、種か苗のどちらから作り始めるか決めることが大切です。

そこで今回は、初心者向けにミニトマトの育て方を詳しく解説します。種まきや苗の植え付けから収穫まで一連の流れをお伝えします。また、ミニトマトを育てるのに必要なものや、有機栽培をしたい方向けの情報など、気になる情報がたっぷりです。ミニトマトを育ててみたい方は、最後までぜひチェックしてください。

目次

ミニトマトとはどんな野菜?

ミニトマトは、一口サイズの小さなトマトです。「プチトマト」とも呼ばれ、色や形の異なる多彩な品種が開発されています。重さとしては、20〜30g程度のものがミニトマトに分類されます。なお、世界一小さいトマトは、直径が5mm〜1cm程度の極小粒のトマトで「マイクロトマト」です。

ミニトマトは一般的に甘みの強いものが多く、フルーツ感覚で食べられるほど甘い品種もあります。大玉のトマトのようにカットする必要がなく、鮮やかな赤みが映えることから、お弁当の彩りとしても人気の品種です

ミニトマトの品種

ミニトマトを家庭で育てるのであれば、好みの品種を育てたいものです。ミニトマトにはさまざまな種類があり、それぞれ色や形、味わいが異なります。ここでは、家庭菜園で人気のミニトマトをご紹介します。

ミニキャロル

ミニキャロルは作りやすく、多く収穫できることから、人気の高いミニトマトです。1つの花房に30〜50果程度が実り、粒の大きさや甘さが揃っているのが特徴です。さらに、病気に強いため、低農薬栽培が可能です。

糖度は8度前後と甘みが強く、味・収穫力・病気への抵抗性の3つが揃っているため、品種選びに困ったときに有力な選択肢となるでしょう。また、1果房にたくさんの実が鈴なりになる特徴もあり、見た目も美しいミニトマトです。

アイコ

アイコは、果肉が厚く、ゼリー部分が少ない長卵型のミニトマトです。ミニキャロルと同様に糖度が高く、つややかな赤色をしている点が特徴です。

かわいらしい日本の女性の名前をイメージして名付けられています。病気に強く割れにくいだけでなく、実つきが良いため、たくさん収穫できるのも優れた点です。果実は20g前後で、糖度は8度程度と甘さがしっかり感じられるミニトマトです。

イエローピコ

イエローピコは、鮮やかな黄色が目を引く球〜楕円形のミニトマトです。糖度は6〜7度と程よい甘みがあります。特に、鮮やかな黄色が食卓を華やかに彩るため、見た目にもこだわりたい方におすすめです。

1花房に12〜13果程度付き、果重は約20gと手頃なサイズです。裂果が少なく育てやすいので、家庭菜園にも適しています。

ノーブル・バイオレット

ノーブル・バイオレットは、深みのある紫色が美しいミニトマトです。見た目はぶどうに似ており、甘い香りとしっかりとした食感が特徴です。糖度は7.5度で、酸味のあとに広がる濃厚な甘みを楽しめます。

紫色のミニトマトは珍しく、その独特の色合いが料理やサラダに彩りを添えます。

ミニトマトを育てる時期

ミニトマトを育てる時期

トマトといえば夏野菜ですが、夏に収穫するためには、それより早く育て始める必要があります。

ミニトマトの苗は一般的に5〜6月に植え付けを行い、7月頃から収穫を開始できます。種から育てると手間がかかるため、発芽が完了して育てやすい状態になっている苗を選ぶことをおすすめします。

苗は春先から販売されていることもありますが、理想的な植え付け時期よりも早すぎると、気温が低いために失敗することが多くなります。目安として、夜間の最低気温が15℃以上になるまで待つのが理想です。

特に、13℃以下だとトマトの着色不良を引き起こす可能性があるため、気温が安定してから植え付けを行いましょう。5月に入ってからの購入が最も確実といえます。

ミニトマトを育てるのに必要なもの

ミニトマトの栽培には、いくつか揃えるべきアイテムがあります。栽培を考えている方は、まず必要なものを準備しましょう。ミニトマトの栽培に必要なものは以下のとおりです

  • トマトの種もしくは苗
  • 野菜用培養土
  • 鉢底石
  • プランター
  • 支柱
  • 移植ごて
  • ひも
  • じょうろ

トマトの種もしくは苗

種か苗、どちらで育てるかを決めて選んだほうを購入してください。

野菜用培養土

野菜栽培用に調整された培養土がおすすめです。肥料も配合されており、土や肥料を複数個買い揃える必要がなく、簡単に土の準備が整います。

鉢底石

鉢底石は、鉢の底に敷き詰め排水性を高めるために使用します。ホームセンターやバラエティショップにて購入可能です。ネットショッピングでも購入できます。排水性のよい鉢や土を使う場合は不要です。

プランター

トマトは支柱を利用して栽培するため、なるべく深いプランターが必要です。苗1本あたり直径30cm、深さ30cm以上を目安に選びましょう。

支柱

作物が倒れないように支える棒状のアイテムです。プランターで育てる場合は、長さが1m以上の支柱を選ぶといいでしょう。畑で育てる場合は、2m以上の支柱を使用することもあります。

移植ごて

小型の園芸用のシャベルです。プランターやポットに土を入れたりトマトの苗を植え付けたりする際に使います。

ひも

麻やビニールなどのひもを用意してください。支柱と作物の固定に使います。

じょうろ

水やりに使います。大きすぎると、水を入れるときや持ち運びが大変です。反対に、小さすぎると何回も水を汲みにいかなければなりません。必要な水はトマトの大きさや量により、変わります。トマトのサイズに合わせて、じょうろの大きさを決めるといいでしょう。

その他

種から育てる場合は、別途以下のアイテムも必要です。

育苗ポット野菜の種をまく際に使われる容器です。苗を育てるために使われます。
種まき用土種まきに使用する土です。無菌で清潔なもので、通気性がよく、水もちのよい土を選んでください。
新聞紙種まき〜発芽するまでの水やりで使います。

ミニトマトを種から育てる手順

ミニトマトを種から育てるのは、少し難易度が上がります。初めての方は苗から育てることをおすすめしますが、慣れてきたら種からの栽培にもぜひチャレンジしてみてください。以下に、種から育てる手順を解説します。

  1. 種まきは苗の場合より2ヶ月早く行う
  2. 育苗ポットで種まきをする
  3. 発芽〜苗の植え付け

種まきは苗の場合より2ヶ月早く行う

ミニトマトは苗になるまでに約2ヶ月かかるため、種まきは3〜4月頃に行うのが理想です。

ただし、トマトは低温に弱いため、最低気温が10℃以上になる時期に種まきを行いましょう。寒い時期には、保温資材を使ったり、室内の窓辺など日当たりの良い場所での管理が重要です。

保温が必要な場合は、ビニールトンネルや保温カバーを使用することで、寒気に当たらないようにしてください。また、発芽から初期の育成期にかけては特に低温に注意しましょう。

育苗ポットで種まきをする

まずは、育苗ポットに種まき用土を入れて、たっぷりと水分を与えましょう。ポット内の土の中央に直径3cm・深さ5mm程度の穴を作り、1つの穴につき種を1〜2粒まくだけで十分です。ミニトマトの種は発芽率が良いため、多くまく必要はありません。

種をまき終えたら、覆土は5mm程度にし、タネが隠れるくらいに薄く土をかぶせます。深すぎると発芽が阻害されるので注意しましょう。また、トマトは嫌光性種子といって、光が当たると発芽が阻害されるため、しっかりと覆土を行ってください。

種まき後は、水やりも忘れずに行いましょう。強い水圧で水をかけると種が流れる可能性があるため、じょうろを使ってやさしく行います。発芽までは1枚の新聞紙でポットを覆い、新聞紙の上からじょうろで湿らせる程度に水やりをするのがポイントです。

発芽〜苗の植え付け

種まきから1週間程度で発芽します。発芽したら新聞紙を取り除き、できるだけ日光に当てて苗を育てましょう。

発芽直後に出てくる約2枚の葉が「子葉(しよう)」です。その後に出てくるのが「本葉」です。子葉は丸みを帯びており、栄養を蓄える役割があります。本葉が成長すると、実際の光合成や栄養の吸収が始まります。

最初の本葉が出始めたら、元気な2本を残して間引きします。さらに、第2の本葉が出始めたら、1本を残して間引きします。間引きの際には、根が弱いため残したい芽が抜けないように気をつけましょう。トマトの苗は根が弱いため、間引き時に根を傷つけると成長に悪影響が出ることがあります。

本葉が4〜5枚になったら、よい苗を選んでプランターに移します。大きく育ちすぎると移しにくくなるため、適切なタイミングで移植することが大切です。

ちなみに、トマトの第1花房(最初に咲く花の束)と同じ方向に、今後の花房もつきます。この特性を生かして、苗の向きを工夫するのもいいでしょう。

ミニトマトを苗から育てる手順

家庭菜園に慣れない方は、苗から育てる方法をおすすめします。以下の手順をご覧ください。

  1. 苗を選ぶ
  2. 苗を植え付ける
  3. 支柱を立てる
  4. わき芽を取る
  5. 追肥を与える
  6. 収穫する

苗を選ぶ

苗は5〜6月頃に買いに行きましょう。選ぶ際には、葉が明るい緑色で、虫に食われていないものを選ぶことが重要です。また、茎がまっすぐで、節と節の間が短い苗は健康的な成長が期待できます。

さらに、子葉がしっかりと付いている苗を選ぶと、より良い成長が見込めます。子葉は苗の健康状態を示すサインでもあります。また、蕾や花が付いている苗があれば、それも理想的です。

苗を植え付ける

購入してきた苗をプランターに移します。培養土をプランターの半分程度の深さまで入れ、水をたっぷり注いで培養土に水分を吸収させてください。そして、残りの培養土をプランターの上から5cm程度まで入れ、再度水を注いで吸収させましょう。

土の準備が整ったら、移植ごとに苗を植える穴を作ります。そして、ポットから苗を取り出し、苗を浅く植え込んでください。周りの土を寄せて表面をやさしく押さえて苗と土を落ち着かせましょう。植え付け後はたっぷりと水を与えます。以降は表面の土が乾いたら水やりを行いましょう。

支柱を立てる

定植後に支柱を立てて茎を誘引します。麻ひもが理想的ですが、なければビニールひもでも問題ありません。支柱と茎を8の字でつなぐようにひもで固定しましょう。このとき、きっちりと誘引せず、茎が育つことを考慮して余裕をもたせて8の字型に誘引してください。

わき芽を取る

わき芽とは、茎と葉の間の節から出てくる芽を指します。茎の成長とともにわき芽が生えてくるので、晴れた日に定期的に摘み取ることが基本です。そのままにしておくと主茎に必要な栄養がわき芽に使われて、主茎の生育が遅れる可能性があります。

ただし、広い面積が確保できる場合は、わき芽をいくつか残して「2本仕立て」や「3本仕立て」で育てる方法もあります。この方法では、しっかりと水やりを行えば、1本仕立てよりも収量を増やせることが期待できます。

1本仕立ては、生産者が限られた面積で大量の苗を管理する際には効率的ですが、家庭菜園など広いスペースがある場合は、複数のわき芽を育てるほうがいい場合もあります。

さらに、わき芽を摘まずに自然に任せる「ソバージュ栽培」と呼ばれる放任栽培もあります。これは手間をかけずに育てたい方や、自然な形でたくさん収穫したい方におすすめの方法です。

追肥を与える

植物を育てるためには肥料が必要です。培養土にはもともと肥料成分が含まれていますが、植物がそれを吸収するのと、水やりによる流出で次第に肥料が不足してしまいます。そのため、特にミニトマトの栽培では、追肥が重要です。

一番花の実が実り始めたら、追肥を開始しましょう。ミニトマトは肥料をよく吸収するため、適切に追肥を行うことで、収穫量や実の質が向上します。生育の状態をチェックしながら、1〜2週間に1回程度の頻度で追肥を与えるのが理想です。

また、日頃の水やりもたっぷりと行い、しおれないように注意しましょう。朝に水やりしても夕方にしおれてくる場合は、再度水を与えることを検討してください。

収穫する

ミニトマトは、開花から40〜50日程度で赤く着色していきます。果実が真っ赤に成熟したら、手で簡単にヘタ部分を取って収穫できます。ミニトマトは軽く引くだけで収穫できるため、剪定バサミを使う必要はほとんどありませんが、手を汚したくない方や、より丁寧に収穫したい方はハサミを使ってヘタを切ってもいいでしょう。

ミニトマトを有機栽培するには?

有機栽培でミニトマトを育てたい方は、培養土や肥料の選定が重要です。

有機栽培とは、化学肥料や農薬をなるべく使用せずに、有機肥料や天然由来の農薬を使用した栽培方法です。オーガニック野菜は、有機栽培で作られた野菜を指します。

ミニトマトを有機栽培する場合、使用する土や肥料に化学肥料が配合されたものを使うのは控えてください。使用できる有機肥料としては、植物性有機肥料と動物性有機肥料があります。それぞれの例は以下のとおりです。

植物性有機肥料油かす・米ぬか・有機石灰など
動物性有機肥料魚粉・骨粉・家畜堆肥など

化学肥料は即効性があり早く効果が現れます。有機肥料は土壌中の微生物を活発にし、時間をかけてじっくりと効果を発揮します。微生物の力で土壌を豊かに育み、使い捨てではなく何度も再利用できる環境を作ることで、ミニトマトを元気に育てられるでしょう。

まとめ

ミニトマトは家庭菜園のなかでも育てやすく、初心者にも人気があります。野菜のなかでも品種が多彩で、お好みの色や形、味わいから選んで育てられるでしょう。

ミニトマトを育てると決めたら、種か苗のどちらから育て始めるかを選んでください。種の場合は苗よりも難しく、手間がかかります。初心者の場合は苗から始めたほうが成功しやすいでしょう。また、種から始める場合は苗よりも2ヶ月早く開始する必要があるため、時期に気をつけてください。

THEO

有機栽培でミニトマトを育てたい方は、完全有機土「THEO(ジオ)」をお試しください。THEOは化学肥料を一切使わずに作られた園芸用の完全有機土です。THEOを使うことで、初心者でも簡単に有機栽培を実現できます。

追肥には完全有機肥料「oiTHEO」がおすすめです。こちらも一切の化学肥料を使わずに、完熟発酵させた牛フンや植物由来の油かすを使用して作られています。

ミニトマトは、毎日の食卓やお弁当に彩りを添える便利で栄養豊かな食品です。家庭菜園でオーガニックなミニトマトを育ててみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

「花やグリーンがある暮らしを、もっと身近に。」というコンセプトで株式会社CLAYの編集チームが運用しております。皆様の日常を豊かにする情報を発信しおります。

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